インボイス制度後もレシートは適格簡易請求書扱い可能!領収書との違いを解説

インボイス制度後もレシートは適格簡易請求書扱い可能!領収書との違いを解説

「インボイス制度ってなに?」
「レシートでも適格請求書・適格簡易請求書扱いにできるのかな」
「そもそもレシートと領収書の違いってなんだろう?」

インボイス制度の開始が迫っていることもあり、このような疑問を持つことがあるかもしれません。

詳細は本文で解説しますが、インボイス制度とは特定の要件を見たすことで消費税の仕入税額控除を受けられるようにする制度のこと。
インボイス制度を利用するには適格請求書や適格簡易請求書の発行・保存が必須なのですが、記載要件を満たしていればレシートでも適格請求書・適格簡易請求書扱いにできます。

しかしそうなると、中には「わざわざレシートを適格請求書・適格簡易請求書にしなくてもよいのでは? 領収書に対して行えば十分だろう」と思う方がいるかもしれません。

そこでこの記事ではインボイス制度やレシートのことだけでなく、適格簡易請求書扱いにするための書き方・領収書との違い・保存方法を解説します。この記事を読めば、インボイス制度に対応するレシートの関連情報を一通り網羅できます。

「インボイス制度が始まるけど、レシートはどうすればいいんだろう……。
不安だ」と悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。

インボイス制度対応電子帳簿保存システムDenHo

インボイス制度でレシートも適格簡易請求書扱いに!

ここではインボイス制度の基本情報を解説します。

  • インボイス制度ってなに?
  • 適格簡易請求書とは?
  • 適格簡易請求書を交付できる事業は7つ
  • 3万円未満のレシートでも保存が必須に!

インボイス制度ってなに?

上述しましたようにインボイス制度(正式名称は適格請求書保存方式)とは、適格請求書※を発行・保存することにより、消費税の仕入額控除が受けられるようになる制度のことです。

※適格請求書とは所定の記載要件、例えば登録番号などを記している請求書を指します。
記載要件を満たしていれば、レシートでも適格請求書にすることが可能です。
ただしレシートの場合ですと、事業者によっては適格簡易請求書にすることもできます。
詳しくは後述。

厳密にいいますと、国税庁は適格請求書・インボイス制度を以下のように定義しています。

インボイス制度とは、
<売手側>
売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
<買手側>
買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります。
(※)買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。
引用元:国税庁|インボイス制度の概要(2023年4月22日時点)

要するにインボイス制度は、消費税を厳密に計算・納税することを求めるようになった新しいルールということ。近年はフリーランスになる方や副業を行う方が増えたので、そのような方々にもキチンと納税を行ってもらうよう、このような制度を発足したのかもしれません。
そんなインボイス制度は、2023年10月1日(日)から正式にスタートされます。

肝心のインボイス制度のポイントですが、まとめますと以下のとおり。

  • 消費税の控除を受けるには適格請求書が必須である
  • 適格請求書を発行するには適格請求書発行事業者になる必要がある
  • 発行および保存が義務である
  • 発行を要求された場合は交付が義務付けられている
  • 記載要件に『登録番号・適用税率・税率ごとに分けた消費税額』が追加された

一番のポイントは、『消費税の控除を受けるには適格請求書が必須である』という点。
消費税の控除を行うために、取引先の多くは適格請求書の発行を要求するハズです。

そうなりますと課税対象売上高が1,000万円以下、つまり今までは免税事業者だった企業・個人事業主も、適格請求書発行事業者になる必要が出てきます。適格請求書は、適格請求書登録事業者にしか発行できないからです。

しかしそうなると今までは免税されていた消費税の納税が、以下のように義務になります。

インボイス発行事業者は、基準期間の課税売上高が 1,000 万円以下となった場合であっても免税事業者にはならず、消費税及び地方消費税の申告義務が生じますのでご注意ください。
引用元:国税庁|消費税の仕入れ税額控除としてインボイス制度が開始されます|1ページ目(2023年4月22日時点)

仮に消費税を納税することになれば、売上金額にもよりますが今までとまったく同じ売り上げだったとしても納税額が数十万円も多くなります。納税額が多くなることは企業・個人事業主問わず、厳しいもの。しかしだからといって取引先が消費税の控除を実施できないというのは、さらに好ましくありません。

そういった背景もあり、インボイス制度の登録件数は以下のように300万件を突破しました。

申請ベース:約320万件
引用元:国税庁|適格請求書発行事業者の登録件数及び登録申請書の処理期間について (2023年4月22日時点)

この数を多いと捉えるか、少ないと思うかは人それぞれです。しかし、これだけの企業・個人事業主がインボイスに登録をしているのは紛れもない事実。もしも自社がインボイス登録をしておらず、ライバル企業が登録をしているのであれば、取引先は消費税の控除が可能であるライバル企業を選ぶかもしれません。このような事態を招くのは、良くないですよね。

インボイス申請の期限は2023年9月30日(土)までです。
もしもまだ登録申請を行っていないのであれば、登録すべきかをよく検討してみてください。

適格簡易請求書とは?

先ほど簡単に記述しましたが、適格簡易請求書とは読んで字のごとく、適格請求書を簡易化したものです。
具体的に言いますと、適格請求書には記載しなければいけない『書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称』を省くことが許された書類を指します。適格請求書と適格簡易請求書の違いを比較しますと以下のとおり。

記載項目 適格請求書 適格簡易請求書
発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
取引年月日
取引内容
税率毎に区分して合計した対価の額及び適用税率
税率毎に区分した消費税額等
書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称 ×

引用元:国税庁|適格請求書の記載事項|63ページ目(2023年4月21日時点)

なぜこのような違いがあるのかといいますと、発行者のビジネス内容によっては逐一相手方の氏名を記入するのが困難なケースがあるからです。

例えばあなたがコンビニのオーナーで、1日に3,000人の顧客に商品を販売していたとします。その際に「インボイス制度によってレシートに氏名を記載しなければいけなくなったので、お手数ですがお名前を頂戴できますでしょうか」と全員に聞くことは、果たして可能なのでしょうか?

どう考えても非現実的ですよね。そのようなことをしていては業務に支障が出るのは目に見えています。顧客側からしても商品を購入するまでに時間がかかってしまいますので、この上なく迷惑です。

しかしだからといってコンビニのような小売業だけ『インボイス制度はなし!』にしては、他の業界に示しがつきませんよね。そこで適格簡易請求書という制度ができたわけです。

上述しましたように、適格簡易請求書であれば適格請求書とは異なり『書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称』は不要です。
コンビニのような1日に何百人・何千人を相手にする商売であっても、インボイス制度を無理なく実施することが可能になっています。コレは、適格請求書のままでは絶対に無理です。

このような事情があるために、適格請求書だけではなく適格簡易請求書という特殊なルールも誕生したというわけですね。

適格簡易請求書を交付できる事業は7つ

実は、先ほど解説した適格簡易請求書を発行できる事業者は以下に限られています。

① 小売業
② 飲食店業
③ 写真業
④ 旅行業
⑤ タクシー業
⑥ 駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限ります。)
⑦ その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業

引用元:国税庁|消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A |26ページ目(2023年4月21日時点)

要するに、小売業に限らず『ビジネス上の理由で1日に何十人・何百人を相手にする可能性が高い業界』が、適格簡易請求書の発行を許されているわけです。
適格簡易請求書を利用することで、ピークの時間帯・時期であっても問題なくレシートを発行できるでしょう。

3万円未満のレシートでも保存が必須に!

インボイス制度の導入により、取引金額が3万円未満であってもレシートの保存が必須になりました。
詳しくは以下のとおり。

現行においては、「3万円未満の課税仕入れ」及び「請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるとき」は、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる旨が規定されていますが、適格請求書等保存方式の開始後は、これらの規定は廃止されます。

引用元:国税庁|適格請求書等保存方式の概要|15ページ目(2023年4月22日時点)

以前の区分記載請求書等保存方式※であれば、3万円以内のレシート・領収書は帳簿への記載のみでOKでした。

※区分記載請求書等保存方式とは、軽減税率に対応するために設けられた制度のこと。現在は10%・8%と異なる税率があります。それらに対応するため、区分経理を可能とする区分記載請求書等保存方式が、2019年10月1日に導入されました。

しかしインボイス制度の導入により、保存は必須になります。保存が必須ということは、受領も必須ということ。間違えてレシートを捨ててしまわないように、気を付けてくださいね。

ただし例外もあり、以下に該当する場合は帳簿への記載による保存でもOKです。

ただし、次の取引は、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付するこ
とが困難なため、適格請求書の交付義務が免除されます(新消令70の9②)。
① 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送(以下「公共交通機関特例」といいます。)
② 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
③ 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
④ 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等(以下「自動販売機特例」といいます。)
⑤ 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

引用元:国税庁|交付義務の免除 |43ページ目(2023年4月22日)

適格請求書の交付が免除されるということは、受領できないということ。そのため上記に該当するものは保存のしようがない、つまり保存義務がなくなるというわけです。覚えておきましょう。

インボイス制度に対応したレシートの書き方

ここではインボイス制度に対応するレシートの書き方を解説します。

  • 適格簡易請求書発行事業者の氏名又は名称
  • 登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨も記載)
  • 税率ごとに区分し合計した対価の金額
  • 税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

適格簡易請求書発行事業者の氏名又は名称

適格簡易請求書を発行する側の氏名もしくは名称を記載してください。
もしもあなたが個人事業主なのであれば氏名を、法人なのであれば企業名を記入すればOKです。

なお『適格簡易請求書発行事業者の氏名又は名称』に限った話ではありませんが、記載事項に誤りがあった場合は、修正した適格簡易請求書を交付しなければなりません。

適格簡易請求書は、交付した適格請求書(適格簡易請求書・適格返還請求書適を含みます。)に誤りがあった場合、修正した適格請求書を交付する必要があります。

引用元:国税庁|適格請求書等保存方式の概要|12ページ目(2023年4月21日時点)

つまりPOSレジの設定を適当に行ってしまうと、後に数多くの修正版レシートを求められるおそれがあるということ。そうなってしまいますと、通常業務への支障も出てくるでしょう。

無駄な業務を増やさないためにも、記載内容はしっかり確認・記載してください。事業者名を入力した後は、念のため複数人によるチェックを行うのが良いでしょう。

登録番号

登録番号を記載してください。
登録番号とは、所轄の税務署から通知された番号を指します。

すでに適格請求書発行事業者の申請を行っており、登録が認められているのであれば、税務署から適格請求書発行事業者の登録通知書が届いているハズ。そこに自社の登録番号が記載されています。

法人であれば『T+法人番号』、個人事業主などそれ以外の方は『T+13ケタの番号』が記載されています。その番号をレシートに記入してください。

万が一、登録通知書が届いていない・紛失した場合は、所轄の税務署に問い合わせてくださいね。

取引年月日

取引を行った年月日を記載してください。
以下のようなイメージで、レシートの左上に記入すればOKです。

【記入イメージ】

2023年10月1日(日)17:55

年月日はもちろんですが、曜日や日時も記載した方がわかりやすいかもしれません。検討してみてください。

取引内容(軽減税率の対象品目である旨も記載)

取引内容を記載しましょう。具体的に言いますと、以下のように記載できていれば問題ありません。

商品名 個数 金額
牛肉※ 1点 2,160円
豚肉※ 2点 1,080円
ビール 1点 220円

※:軽減税率対象の商品

ポイントは、どの商品が軽減税率対象なのかを一目でわかるようにすることにあります。
そもそもの話になりますが、消費税には10%と8%の2種類があり、以下商品は8%いわゆる軽減税率対象に指定されています。

① 酒類・外食を除く飲食料品
② 週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)
引用元:国税庁|1 軽減税率の対象となる品目|1ページ目(2023年4月21日時点)

そのためレシートには「どの商品が消費税10%で、8%なのか?」が明確にわかるように工夫しなければいけません。そこで、軽減税率対象には『※』などのようなマークを付けなければならないのです。

軽減税率対象品がわからないレシートだと適格簡易請求書として認められませんので、ご注意ください。

税率ごとに区分し合計した対価の金額

税率ごとに区分し合計した対価の金額を記載しましょう。
少し難しい言い方をしていますが、要するに『消費税率10%の商品の合計金額と、8%の商品の合計を分けて明示してくださいね』ということです。
具体的には以下のとおり。

消費税率 税率ごとに区分した対価の額
8%対象 677円
10%対象 100円

先ほどと同様に、この記載形式でなければ適格簡易請求書としてみなされません。気を付けてください。

税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率を記載してください。
簡単にいいますと『消費税率10%および8%の商品の、それぞれ合計金額に対する消費税額と適用されている税率を記載してください』ということ。
イメージを記載しますと以下のとおり。

消費税率 消費税額
8%対象 440円
10%対象 120円

※適用税率のこと。

ここまで書いて、レシートはようやく適格簡易請求書として認められます。とても重要なことですので、必ず覚えておきましょう。

レシートと領収書の違いを解説

レシートと領収書の違いは、主に2つあります。

異なる点 レシート 領収書
宛名の有無 なし あり
記入方法 機械印字 手書きもしくは手動入力

レシートには宛名がありません。
上述しましたように、不特定多数を商売にしている事業者は、逐一宛名を記載するのが現実的に不可能だからです。その一方で領収書には宛名があります。取引先もしくは自社の規則で『宛名が必須』なのであれば、領収書を発行または受け取るのが良いでしょう。

ただし、領収書にも難点があります。
それは手書き・手動入力であるがために、宛名や金額などを改ざんしやすいという点です。
相手側と共謀すれば、偽造した領収書を手に入れることも可能。
そのため機械印字、つまり改ざんのしようがないレシートの方が信憑性は高いという特徴もあります。
レシートと領収書には違いがあるものの、両者ともに長所・短所があるというわけですね。

どちらの方が重視されるかは、取引先・自社の社内規則に左右されることでしょう。レシート・領収書を発行するにせよ受け取るにせよ、事前に確認しておくことをおすすめします。

インボイス制度に備えて導入しておくべきこと

インボイス制度に備えて確認・導入しておくべきことを解説します。

  • 適格請求書発行事業者に登録するか決める
  • 適格請求書発行事業者への登録手続きを済ませる
  • 適格簡易請求書の項目を満たしたレシートを発行する
  • 受け取る側の場合はチェック事項を作成しておく
  • 保存期間を確認する

適格請求書発行事業者に登録するか決める

まずは適格請求書発行事業者に登録をするかを決めましょう。
そう言いますのも、実は適格請求書発行事業者への登録は義務ではなく、以下のように任意だからです。

適格請求書を交付できるのは、登録を受けた適格請求書発行事業者に限られますが、
適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかは事業者の任意です。
引用元:国税庁|お問合せの多いご質問(令和5年4月14日掲載)|6ページ目(2023年4月21日時点)

しかし適格請求書および適格簡易請求書を発行するには、適格請求書発行事業者に限られています。つまり『登録をしない→適格請求書を発行できない→取引先は仕入税額控除を受けられない→自社が取引先リストから除外されるかもしれない』という図式が成り立つのです。

このような事態が考えられる以上、基本的には適格請求書発行事業者に登録することを強くおすすめします。

適格請求書発行事業者への登録手続きを済ませる

適格請求書発行事業者への登録を決めた場合は、手続きを済ませましょう。
登録手順は以下のとおり。

1.『適格請求書発行事業者の登録申請書』をダウンロード
2.『適格請求書発行事業者の登録申請書」(初葉)の記載例』を参考に必要事項を記入
3.『適格請求書発行事業者の登録申請書の提出に当たりご注意いただきたい事項』に基づき記載内容を確認
4. 納税地を管轄しているインボイス登録センターに郵送する

上記の手順を踏めば、スムーズに適格請求書発行事業者の登録手続きが完了します。記入事項を間違えないようにご注意ください。

ちなみに、わからないことがある場合はインボイスコールセンター(インボイス制度電話相談センター)に相談をしてくださいね。
インボイスコールセンターの連絡先は以下のとおりです。

インボイスコールセンター|電話番号 受付時間
0120-205-553 9:00から17:00(土日祝除く)

2023年4月24日時点

フリーダイヤルですので、ノーコストで質問できますよ。

なお、もしも「郵送は面倒だな」という場合は『e-Tax※』を利用してみてください。

※e-Taxとは、国税関連の手続きを電子的に行えるシステムのこと。適格請求書発行事業者への登録だけでなく、所得税・贈与税・法人税などの申告もできます。

e-Taxであれば、ネットを通じて登録申請をすることが可能です。都合の良い方法を選択してくださいね。

適格簡易請求書の項目を満たしたレシートを発行する

適格請求書の記載要件を満たしたレシートを発行できるようにしましょう。
例えば小売業であれば、インボイス制度に対応したPOSレジの導入が必須です。導入するまでに一定の時間・手間を要することが予想されるため、早めに対応することをおすすめします。

今日では非常に多くのPOSレジが提供されていますので、いろいろと比較してみるとよいでしょう。

受け取る側の場合はチェック事項を作成しておく

これはレシートに限った話ではありませんが、適格請求書および適格簡易請求書を受け取る場合に備えて、チェック事項を設けておきましょう。
記載事項が間違っているのであれば、記事の前半で述べましたように修正されたものを受け取らなければいけないからです。
このときのやり取りをスムーズにするためにも、チェック事項は事前に作成するべきです。

保存期間を確認する

保存期間を必ず確認しておいてください。
適格請求書発行事業者には以下のように、一定期間の保存義務があるからです。

適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の写し及び提供した適格請求書に係る電磁的記録の保存義務があります(新消法57の4⑥)。
この適格請求書の写しや電磁的記録については、交付した日又は提供した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地に保存しなければなりません(新消令70の13①)。

引用元:国税庁|5 適格請求書等の写しの保存|96ページ目(2023年4月21日時点)

ポイントは写し、つまり適格請求書の控えにも保存義務が生じるということ。受領した際に写しを作成したのであれば、その写しにも保存義務が生じるのです。

写しの作成自体は今のところ作成義務がありませんので、もしも面倒に感じるのであれば、写しは作らないという方針もアリです。社内システムにて入金管理が可能であり、各請求書の写しを発行する必要が特にないのであれば、問題ないでしょう。

レシートや写しなどを保存する場合になったときの方法に関しましては、次で解説します。

レシート(適格簡易請求書)の保存方法

先ほどもチラッと出ましたが、ここではレシートの保存方法を解説します。

  • 電子帳簿保存法に基づいたスキャナ保存
  • 電子帳簿保存法に基づいた電子取引保存

電子帳簿保存法に基づいたスキャナ保存

まず電子帳簿保存法とは、帳簿や書類を電子データとして保存することを認める法律を指します。
電子帳簿保存法の登場により、レシートや請求書などをPC上に電子保存することが正式に可能となりました。

そしてレシートをデータ保存するのであれば、スキャナ保存がおすすめです。スキャナ保存は以下のように、国税庁に認められている保存方法になっています。

スキャナ保存制度は、取引の相手先から受け取った請求書等及び自己が作成したこれらの写し等の国税関係書類(決算関係書類を除きます。(注))について、税務署長等の承認を受けた場合には、書面による保存に代えて、一定の要件の下で、スキャン文書による保存が認められる制度です

引用元:国税庁|Ⅰ通則【制度の概要等】(2023年4月21日時点)

スキャナ保存であれば、レシートを専用機器で読み取るだけで電子保存が可能です。
従来のようにすべてを書き写す必要がありません。
そのため数千枚のレシートも数日、いや1日で処理することが可能になります。
経理の業務を、この上なく効率化できるわけですね。

スキャナ保存を利用するには税務署長等の承認を受けることが必須なのですが、非常に便利な保存方法ですので利用してみてくださいね。

なお、レシートをスキャナ保存するのであれば、弊社のスマートOCRがおすすめです。
スマートOCRにはAIエンジンが搭載されていますので、歪み補正や高い文字認識機能を備えています。
雑にスキャンしてしまったレシートでも、読み取ることが可能です。
ぜひご検討ください。

電子帳簿保存法に基づいた電子取引保存

もしもアプリによる取引やネットショップにて商品を購入した場合は、電子取引保存をしてください。電子取引保存とは、メールやPDFなど電子的に送受した取引情報をデータ保存することを指します。オフライン世界のように、実際のレシートを受け取ることが困難な場合は、電子取引保存がメインの手段となります。

もしも電子データとしてレシートを保存するのであれば、専用フォルダの作成・クラウドの利用がおすすめです。
税務署から問い合わせがあったときに、迅速に対応できるようになります。
年月・日時・取引先・金額などに基づき、各レシートを区分けると良いでしょう。

なお電子取引を行った場合でも、何かしらのカタチで保存することが以下のように義務付けられています。

所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税の保存義務者が取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項) を電磁的方式により授受する取引(電子取引)を行った場合には、その取引情報を電磁的記録又はCOM若しくは書面により保存しなければならないという制度です(法10)。
なお、電子取引を開始する場合には、税務署に対して申請書を提出する必要はありません。

引用元:国税庁|Ⅰ通則【制度の概要等】(2023年4月21日時点)

わざわざ書面に直すのは面倒でしょうから、基本的には電子データで保存するのが良いでしょう。

ちなみに2024年1月以降は、以下のように電子データの保存が必須となります。

令和6年1月からは保存要件に従った電子データの保存が必要ですので、そのために必要な準備をお願いします。
引用元:国税庁|電子取引データの保存方法をご確認ください(2023年4月21日時点)

そのため、今のうちから電子保存に慣れておく方が良いかもしれません。書面での保存が基本となっている企業は、検討してみてください。

まとめ インボイス制度に対応したレシートを発行しよう

ここまでインボイス制度に基づいたレシートを解説してきました。記事で解説しましたように必要事項を記入すれば、レシートでも適格請求書にすることが可能です。もちろん事業者によっては適格簡易請求書にすることもできます。事業内容によって、どちらを作成すべきなのかを確認してください。

なお領収書をスキャナ保存する場合は、ぜひ弊社のDenHoをご利用ください。DenHoはアップロードするだけで、AI-OCRにより電子帳簿保存法の必須要件である検索用の項目(取引先名、取引金額、取引日付)を自動でデータ化し、帳票の種類も自動で振り分けてくれるため、業務負荷をかけずに電子帳簿保存法への対応を実現します。ぜひご検討ください。

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